血液検査でクレアチニンの数値が高い場合、腎機能の低下や障害が疑われます。腎臓病が今以上進行しないように、まずは食習慣から改善していきましょう。

栄養士イラスト当サイトをご覧いただきありがとうございます。
私は、管理栄養士として病院栄養士を13年勤めていました。透析専門の病院に10年勤めた経験があり、病院では栄養指導やNST(栄養サポートチーム)などの病棟業務や献立・調理の方もおこなってまいりました。

少しでも腎臓病や、クレアチニンを下げることにお悩みの方の、お役にたてればと思いこのWEBサイトを起ち上げました。更新はとっても遅いと思いますが、患者さんに有益な情報をたくさんアップしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします

目次

クレアチニンってナニ??

排気ガスを出す自動車クレアチニンとは血清クレアチニンとも呼ばれ、筋肉を動かした後に出てくる老廃物の一種です。人の身体を動かすための必要なエネルギー源としてアミノ酸が使われますが、そのアミノ酸のひとつに「クレアチン」という成分があります。

そのクレアチンが筋肉運動で使われ代謝されて発生するのがクレアチニンです。クレアチンとクレアチニン。とても名前が似ていて混乱してしまいますが、もっと簡単な物にたとえていうと、「クレアチンはガソリン」、「クレアチニンは排気ガス」です。

車にガソリン(クレアチン)を入れ、ドライブ(筋肉運動)すると排気ガス(クレアチニン)が出るというわけです。クレアチニンを下げる方法としては、腎機能の負担をかけない生活を心がけることが大切になります。

まずはじめに

クレアチニンを下げる食事の内容は、慢性腎臓病の進行度でタンパク質の量はもちろん、塩分の量もかなり変わってきます。タンパク質制限が強くなればなるほどカロリー摂取量は上げる必要があります。

患者さん個々で大きく異なるため、まずは主治医や管理栄養士の指導を受けてください。ここでは、基本的な目安をご紹介いたします。

腎臓病は想像以上に食事療法が大変です

慢性腎臓病は、そのまま何も手を打たないでおくと徐々に悪化していき、ゆくゆくは透析をしなければいけなくなります。腎臓は一度機能が低下してしまうと元に戻すことはできません。

腎臓に負担をかけないよう、初期のうちから食事療法を行わないとと大変なことになってしまいます。腎臓病は、糖尿病からの合併を引き起こす方が多くみられます。糖尿病の方も安心することなく、決められた食事療法をお守りください。

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クレアチニンを下げる食事療法とは

クレアチニンを下げるためにまずは食生活を見直して改善していきましょう。腎臓病を進行させる原因は、タンパク尿と高血圧です。腎臓の機能が低下していくと、体内の老廃物(尿素窒素・クレアチニン)が排泄されにくくなります。

クレアチニンの数値が高い場合、腎機能に負担をかけないよう、塩分・タンパク質を制限しなければいけません。塩分を摂りすぎると高血圧やむくみ、だるさなどの症状が出てきます。

また、タンパク質を多くとるとクレアチニンや尿素窒素という毒素がたまってしまい、腎臓に大きな負担がかかってしまいます。(健常者には全く問題ありません。タンパク質は身体を作るためのとても必要な栄養素です)

そのため、タンパク質を控え、腎臓に負担をかけないためないために必要なエネルギーはしっかり確保するため糖質・脂質を多く摂取しなければいけません。もしも不足してしまうと逆に体調不良の原因になってしまいます。

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塩分はどのくらいに抑えなけばいけないの?

塩分計量1日の食塩摂取量は6g(グラム)未満に抑えなければいけません。6gと聞いてもピンときませんが、カレーライスを食べると2g~3gの塩分を摂ってしまいます。カップラーメン一個食べると5~6gの塩分を摂ってしまいます。梅干し1個にも2gの塩分が含まれています。

まずは調味料や食品に含まれている塩分量を知ることが大切です。そして、急に食塩を減らすのではなく、徐々に薄味に慣れるようにしましょう。

※最近の食品にはナトリウム(Na)量が表示されていることもあります。

次の計算式で食塩量に換算することができます。
食塩量(g)=表示しているNa量×2.54÷1000

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食塩量を減らすための工夫

  • 調味料は計量して使う
    面倒くさいかもしれませんが、適当な調味料を入れてしまうと塩分を摂りすぎてしまいます。まずは計量をしっかり行い、今までの味付けとの違いをしっかり覚えましょう。
  • 酸味や香辛料を利用する
    酢を利用すると塩や醤油を控えてもそれだけでおいしく食べられます。魚の塩焼きに醤油をかけなくてもレモンやカボスを利用すれば、塩分を抑えることができます。

    炒め物にニンニクや生姜、おひたしにワサビやカラシ、カレー粉やブラックペッパーなどの香辛料も上手に利用してください。

  • 醤油やソースはかけるのではなく、つけて食べる
    刺身やお寿司など、醤油をかけてしまうのではなく小皿に入れた醤油につけて食べたほうが塩分カットになります。
  • 干物、練り物、漬物、ハム、ウィンナー、ベーコンなどの食塩量の多い加工食品やインスタント食品はできるだけ避ける
    梅干しには1個で1.5g~2gの塩分が含まれており、漬物一つ食べるだけで一食に近い塩分量を摂ってしまいます。加工食品にも塩分は多く使われており、なるべく控えるようにしましょう。
  • 味噌汁は具たくさんにして汁は飲まないようにする
    薄味にするのはもちろんですが、味噌汁の具をたくさん入れることでかさが増し、汁を飲まずに残すことで摂取塩分を減らすことができます。
  • 食卓に塩や醤油などの調味料を置かない
    目の前に塩や醤油があれば、誘惑に負けてかけてしまうことがあります。食卓には一切おかずに調理したまま食べるようにしましょう。どうしても醤油をかけたい場合は、だし汁と醤油でわっただし割醤油か、ポン酢を利用するようにしましょう。
  • お皿に盛りつけたものを食べる
    自分で大皿から取り分けて食べる食べ方は、ついつい食べ過ぎてしまう可能性があります。せっかく計量したおかずも、食べ過ぎてしまえば摂取量も増え塩分も多く摂ってしまいます。
  • だし汁を利用する
    かつお節や昆布、煮干しなどの天然のだしを利用することで、調味料が少しでもおいしく召し上がれます。
  • 下味をつけずにかけて食べる
    下味をつけるとおいしく食べられますが、あんかけ料理や酸味、香辛料を利用した料理は、多少ごまかしがききますので下味がなくてもおいしく食べられます。
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    タンパク質を抑える工夫

    肉と魚タンパク質は肉・魚・卵・豆腐・大豆製品・乳製品など多くの食品に含まれています。おやつのケーキやプリン、クッキーにも含まれていますし、炭水化物が多いと思われているお米にもタンパク質が多く、普通に食事してタンパク質を落とすのは極めて困難です。

    >>>関連記事:カリウム制限と摂取量

    お米のタンパク質を特殊な方法で減らした「ゆめごはん」や「PLCごはん」など、Amazon(アマゾン)や楽天のビースタイルで購入することができます。こういった特殊食品を上手に取り入れましょう。

    料理をするときのポイントとしては、練り製品(ちくわやかまぼこなど)や加工食品(ハム・ベーコン)の使用を極力外します。

    そして何より大事なことは、塩分同様計量することです。面倒かもしれませんが、あいまいにしていてはタンパク質を抑えることはできません。

    例えば肉50gを食べるとして、頭でイメージした量と実際に計った量とでは思った以上に誤差があります。最初はどの程度食べられるのか必ず計量してください。

    少しでも見た目が豪華に見える方法

    肉は一枚肉をスライス肉に変更し、野菜と炒めることで料理のボリュームを出すことができます。
    (例)ステーキ⇒焼き肉、豚の生姜焼き⇒豚肉と野菜の生姜炒め

    小さな唐揚げを2個しか食べられない場合、サラダ用の野菜をお皿に盛り付け、その上に唐揚げをのせると見た目がよくなります。魚の天ぷらやフライの場合は、野菜のかき揚げを加えることで見た目が豪華になります。

    お皿・器の工夫

    もう一つの工夫としては料理だけでなく器にもあります。一度、ごはん150gを小さなお茶碗と大きな丼茶碗にいれて見比べてみてください。

    どちらが多く感じるでしょうか?
    おかずも同じことが言えます。

    おかずの盛ったお皿
    おかずの盛ったイラスト

    目の錯覚ですが、お皿の大きさでかなり違います。右のイラストだとよくわかります。

    おかずの盛ったお皿2
    おかずの盛ったお皿3

    どんなおかずでも盛り方で、脳への働きかけが違うようです。

    色によっても感じ方が変わってきます。

    色のついたお皿
    色のついたお皿2

    白やオレンジのお皿におかずが盛られていると食欲をそそります。でも、下の写真の青いお皿におかずが盛られてると食欲が出ないと感じませんか? 濃い緑色のお皿でも「少しで結構」という感じになります。

    青いお皿
    水色のお皿

    写真で見るとよく理解できますね。
    このような事からも食事の時に、おかずを盛り付けるお皿をなるべく小さ目にしてみてください。同じ量でも大きなお皿にちょこんとおかずを盛るより、小さなお皿にいっぱいに盛った方が見た目の満足感を得られます。状況に合わせてお皿の色にも気を配ってみてください。

    エネルギーは適正量を十分に摂る

    タンパク質を制限すると得られるエネルギーは比例して減ってしまいます。食事でとるエネルギーが不十分だと、体内に蓄えられていたタンパク質を消費して補います。

    つまり、筋肉などをエネルギー源として使用されるため、その代謝産物(老廃物)が血液中にあふれ、結果腎臓に負担がかかるというわけです。

    では、「甘いものや脂っこいものをたくさん食べればよいのか」というとそういうわけではありません。過剰なエネルギーは肥満につながります。

    腎臓病にかかった人が合併症をおこす患者様が多数いらっしゃいます。糖尿病や脂質異常症の原因となりますので、自分にあった適正なエネルギー量を摂ることが大切です。

    必要なエネルギーを摂取するコツ

    • 1日3回、食事をきちんと食べる
      一食でおおよそ400~700kcalの食事は、一回でも抜いてしまうとバランスが崩れてしまいます。
      よく朝食を抜く方がいますが、身体に優しい健康的な生活を送るためにも3食きちんと食べるようにしましょう。
    • 1日1回は油を使った料理を食べる
      油は1gで9kcalあります。エネルギーを補うためにも、揚げ物や炒め物、ドレッシングサラダなどを一品とりいれましょう。

    • 春雨などのでんぷん製品を利用する
      スパゲッティやマカロニにはタンパク質を含みますが、春雨にはタンパク質が含まれません。
      春雨サラダ(マヨネーズやドレッシング)や揚げて付け合わせにと、上手に利用しましょう。
    • 粉飴を利用する
      特殊食品で通常の砂糖より甘味が少なく、高エネルギー食品です。
    • クレアチニンを下げる生活習慣

      クレアチニンは激しい筋トレなどの無酸素運動を行うと筋肉の活動によって発生してしまいます。しかし、腎機能にかかわらず、健康には適度な運動は不可欠です。適度な運動は身体機能を高め、内臓の働きや血液の循環も良くしてくれます。

      例えば、近所をウォーキングする、少しでも早めに起きてラジオ体操をする、家の階段を使って踏み台昇降運動をするなど軽めの有酸素運動はクレアチニン値があがりにくく、継続して行うことをオススメします。

      クレアチニンを下げるのに良い食材・悪い食材

      たくさんのしじみ腎臓に良いといわれる食べ物としては、昆布やイワシ、カツオ、ブリ、牡蠣など様々な魚介類・ヒジキなどの海藻類が腎臓に良いと言われています。その中でも特に代表的なのはシジミです。

      シジミにはオルニチンというアミノ酸が含まれており、腎臓障害の改善に良いと言われている成分です。肉類ならば、豚肉や鶏肉がオススメです。

      他に、大豆や黒豆、小豆などの豆類にも利尿作用や解毒作用があります。イモ類、ゴマ、キャベツ、スイカ、ほうれん草、ハト麦、などが良いと言われています。ですが、食べれば腎臓がよくなるというわけではありませんので、偏って食べ過ぎないように注意してください。

      上記の食材をうまく組み合わせ、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。

      あくまでも食事制限のない方のみです。タンパク質制限のある方は上記の食材は当てはまらないのでご注意ください。

      塩分、タンパク質、カリウム制限を医師から指示されている場合はカリウムを多く含む食品が悪い食材になります。スーパーなどでよく見かける食品でカリウムを多く含む食材は、パセリ・アボカド・ほうれん草・納豆・やまといも・大豆・里芋・にんにく等です。

      腎臓病の進行度により摂取量は変わってきますので、必ず医師の指示に従って食品購入・調理には細心の注意を払ってください。

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      クレアチニン値だけ気にしていればいいのか、もっと他に気にする数値はあるのか

      クレアチニンだけではなく、尿素窒素、カリウム、リン、ナトリウムなどほかにもチェックしていただきたい検査項目があります。

      尿素窒素・リンが高ければ、肉・魚・卵・豆腐・豆類などのタンパク質を控えます。カリウムの数値が高ければ、野菜・果物・イモ類・海藻類など食品を控えます。ナトリウムの数値が高ければ、塩分・練り製品・加工食品などを控えます。

      ただし、その日の体調などにより数値が高くでる場合があります。自分で判断せず、もしも気になるようであればまずはご近くの医療機関にご相談されることをオススメします。

      水分制限、塩分制限、カリウム制限は必要あるのか?

      クレアチニンだけではなく腎臓の機能低下により、水分・塩分・カリウム制限の必要は出てきます。初期段階であれば塩分制限もゆるやかですし、個々によって内容は変わってきます。

      健常者であれば、細胞の中のナトリウムと交換するためにカリウムは必要な栄養素となりますので、ご自分で判断せずに医師や管理栄養士にご相談ください。

      患者さんも大変だけど家族も大変です

      腎機能は一度失われてしまうと取り戻すことができません。
      腎臓が悪くなってしまうと食事制限が厳しくなってしまいます。何度も書きますが、腎臓病は進行具合により食事療法が変わってきます。

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